四 季 の 花

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 鯉が窪湿原  2017-06-22




 
湖沼の
ヒツジグサ



満開の
ハンカイソウ

 鯉が窪湿原は西の尾瀬沼と形容される湿原です。

 この時期、湖沼にヒツジグサが一面に繫茂していました。

 湿原はどこを見てもハンカイソウ

 よくみるとトキソウノハナショウブアザミアギスミレイチヤクソウ

 オカトラノオ、ヒメミクリ等々が咲いていました。

 湿原のハンカイソウのそばにはクサレダマ。でも、まだ固いつぼみです。

   

鯉が窪湿原の周辺には黒髪山があります。万葉集には、柿本人麻呂が黒髪山を詠っています。

柿本人麻呂が詠った黒髪山は、奈良市北部 佐保山山稜の一角ですが、

もしかしたら、この黒髪山も・・・・


    ぬばたまの  黒髪山の  山菅(やますげ)に   

            小雨降りしき  しくしく思ほゆ  

             
巻11-2456  柿本人麻呂     






鯉が窪湿原       

鯉が窪湿原は「西の尾瀬沼」とも形容される湿原です。多彩な植物が自生しています。

特に満朝系の植物である「オグラセンノウ」「ビッチュウフウロ」「ミコシギク」等が見られます。

今回は、「オグラセンノウ」「シモツケソウ」「オカトラノオ」「ハンカイソウ」「クサレダマ」など沢山の花に

出会えました。

  
       
下の写真にマウスを置くと花の写真が変わります。
アギナシ  ウツボグサ  オカトラノオ
ヤマジノホトトギス  ホタルブクロ  ハンカイソウ
湿原のマスコットオグラセンノウ
カキラン(黄褐色の花))
ナツアサドリ(小さい実をつけている)
ノギラン(葉はショウジョウバカマに似ている)
コバギボウシと木道
池のジュンサイ


鯉が窪湿原に咲く花で万葉集に詠われている花もあります。
カンゾウはワスレグサ」として詠われています。湿原の花は「ノカンゾウ」です。
 「カンゾウ」は漢名の「萱草」を日本語読みしたものです。「野」は野原に生育するという意味です。
 「カンゾウ」は別名「ワスレグサ」とも言います。
 ①花のつぼみを調理して食べると心配事をすべて忘れるほど、美味しいことからきているという説。
 ②カンゾウの美しい花を見ると憂いさを忘れることからきているという説。万葉の歌はこちらの方かな。
 
我が宿は 甍(いらか)しだ草 生(お)ひたれど

    恋忘れ草 見るにいまだ 生(お)ひず

               巻11-247  柿本人麻呂



  忘れ草 我が紐に付く 香具山の

     古りにし里を 忘れむがため

               巻3-334  大伴旅人 
 
センノウは、ナデシコ科センノウ属の多年草です。夏に引き裂いたような紅い色の花をつけます。
オグラセンノウは国指定天然記念物
鯉が窪湿原のマスコット的存在です。
なでしこが 花見るごとに娘子(おとめ)らが 

      笑(え)まひのにほひ思ほゆるかも                 
               巻18-4114  大伴家持

秋さらば 見つつ偲へと妹が植ゑし  

      やどのなでしこ咲きにけるかも            

               巻3-464  大伴家持

集中26首。 そのうち家持作が12首。
家持はよほどなでしこが好きだったようです。