自然保護センター


 保護センターではタンチョウを飼育しています。2羽のタンチョウがカメラを向けるとポーズをとってくれました。イトトンボ、ハッチョウトンボもお出迎え。
 
 写真にマウスを置くと画面が変わります。
2017−06−12

ササユリが満開です。1本の茎に花が6輪のついているのはとても珍しいです。

トゲを意味する漢字「棘」。棘のある植物でもっとも身近にあるのはノイバラと思われます。

ノイバラの古名は茨(ウマラ、ウバラ)です。ノイバラの語源は次の万葉集にある「うまら(ウバラ)」に由来していますので紹介します。



  
道の返(へ)の 茨(うまら)の末(うれ)に 

     延(は)ほ豆の からまる君を  

       別(はか)れか行かむ

   巻20-4352  丈部鳥(はせつかべのとり)





岡山県自然保護センター   2016-08-15

 静かに水をたたえた池の水辺に広がる、草地や、湿原に可愛らしい花が沢山咲いています。
それをとりまく美しい森の広葉樹や針葉樹などの、たくましい生命力が感じられ、そのあいだを気ままにとびまわる
トンボやチョウ、樹液を吸う甲虫の仲間たち。さらには、いろんな声で鳴く小鳥たち。
その中で出会った花や虫を紹介します。

万葉集に詠われている花のいくつかが、センター内に咲いていました。紹介します。

女郎花(おみなえし)

ひぐらしの 鳴きぬるときは、
   女郎花(をみなえし) 咲きたる野辺を
        行きつつ見べし」

  巻17-3951 秦八千島(はたのやちしま)

サワヒヨドリ

(孝謙天皇と光明皇后が共に藤原仲麻呂の家にいらっしゃった時に、色づいた澤蘭(さはあららぎ)を一株抜き取って、内侍の佐々貴山君(ささきやまのきみ)に持たせて、藤原仲麻呂と彼に付き添う大夫(たいふ)たちにお贈りになった歌で、サワヒヨドリの言葉はありません)

この里は 継ぎて霜や置く
     夏の野に 我が見し草は もみちたりけり」

  巻19-4268 孝謙天皇


ナンバンギセル(万葉集では、思ひ草と詠われている)


「道の辺の 尾花が下の 思ひ草
       今さらさらに 何をか思はむ」

  巻10-2270 作者不詳


 
ヒシ

「君がため 浮沼(うきぬ)の池の 
    菱(ひし)摘むと 我が染めし袖 
         濡れにけるかも」

  巻7-1249 柿本人麻呂

「豊国の
企救(きく)の池なる 
    菱の末(うれ)を
 摘むとや 
        妹(いも)が み袖 濡れけむ」

  巻16-3876 
消奈行文(せなのぎょうもん)

ヘクソカズラ

 この植物から出る嫌な匂いが、何とも可哀そうな命名になったのでしょうか。万葉のころにはすでに屎葛(くそがずら)の名前があり、それに屁がついて「ヘクソカズラ」となったのです。 しかし、田植えを知らせる花として「早乙女花」という愛らしい別名もあります。

「さう莢(けふ)に 延(は)ひおほとれる
   屎葛(くそかずら) 
      絶ゆることなく 宮仕えせむ」

  巻16-3855 高宮王(たかみやのおおきみ)


マルバハギ(万葉集には萩を詠んだ歌が142首あります。)

「高円の 野辺の秋 このころの 
   あかとき露に 咲きにけむかも」 

  巻8-1605 大伴家持

「萩の花 尾花葛花 なでしこが花 おみなえし
     また藤袴 朝顔(あさがほ)が花」

  巻8-1537 山上憶良



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